3月17日、すべての会場が決まりきらない段階ですが、作家さんたちの場所に対する感触がなによりも重要と、会場下見ツアーを敢行することに。
朝、集まったメンバーは、東京より坂田和實さん、名古屋から設楽知昭さん、地元からは森北伸さん、四日市から内田鋼一さん。アテンダントは、安藤(ももぐさ)と加藤(幸兵衛窯)、そしてお供に、この少し前に事務局に加わった山本さつき。写真家の山田亘さんにも下見風景の撮影で同行していただきました。
当日は朝から快晴。まず向かったのは土岐市の小山富士夫邸&花の木窯。この候補地では、藤本由紀夫さんが薪置き場を、伊藤慶二さんが窯場を希望されていたので、すでに若干きゅうきゅう状態ではありましたが、細長い蛇窯の内部に壁画はどうだろうか、絵付けをしていた痕跡の残るガラス張りの小部屋はいろいろ使えそう、ガス窯のある部屋あたりはワークショップに......など、皆の想像力を刺激する魅力に溢れた場所でした。
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続いて多治見市織部ストリート方面に向かい、古い民家の味を残す日比野邸、なまこ壁のギャラリー空間が美しい花御堂を拝見したところでお昼休憩。午後より多治見駅にて石井晴雄さんが合流、多治見陶磁器上絵加工工業協同組合見学の後、市之倉へと向かいました。
市之倉の窯場跡では、森北さんが一番大きな廃屋に興味を示し、さらに小部屋の荒れ具合を目にした坂田さんから、「ここはこのままでいい!」との爆弾(?)発言。置き去りにされ、朽ちゆくままの資材、道具など、その「もの」や「場」の持つ潜在力を提示する案が生まれました。一方、農園予定地の窯場跡の空き地を盛んに掘り返し、「荒れているなら荒れているところで育つものを植えるよ」と、肥えているとは言いがたい土質を確かめる石井さん。
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その後、同じく市之倉の平正窯へ古道具を拝見に伺った後、次なる有力候補地、土岐市下石陶磁器工業協同組合へ。元釉薬工場で、今は倉庫となっているこの建物の内部にはお宝がゴロゴロ。と言うのは坂田さんで、それらを、材料を区分けして入れていたらしい二階の仕切りごとに展示してみたら、と。この段階で、坂田さんの「そのまま」と「しつらえ」の二通りの展示構想が見えてきたことになります。
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ここにきて、さすがに疲れの見え始めた面々ですが、長い山道を抜けて辿り着いた大川採土場が疲労を吹っ飛ばしてくれました。採土場は想像をはるかに超えて大きく、土を取った起伏をそのままに、あたかも山並みの巨大模型を見るような心持ち。「がんばらないと作品が負ける」と、この地での茶室構想を持つ内田さん。この日はいなかった遠藤利克さんの構想にも、みなが興味津々。突如、大の大人による石投げ競技が始まったりと、開放感満点のままに、この日のツアーは終了となりました。
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後からざっと勘定してみると、この日は50キロ近い行程を見て回ったことになります。最後にももぐさでいただいたコーヒーとケーキが胃に染みたというのも道理です。ともかくも、この日の実見で前に進んだことは多かった。当初予定されていた町なかの会場を使わないことになった結果、多治見、土岐、瑞浪の三市から4つのポイントが浮かび上がり、土地に根ざした広域展覧会の様相が次第に見えてきたのでした。
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